日々の仕事
NASEM2021勉強会
先月、2日間の日程で中標津で開催されたNASEM2021勉強会に大久保先生が参加してきました。3回に渡る伝達講習で、その内容を社内共有しました。乳牛の栄養学は日進月歩で進化しています。毎年の様に新しい概念が生れ、乳量や乾物摂取量を予測するモデルは、より現実に近づきつつあります。しかし、その一方で栄養学の勉強をすると毎回感じる事があります。それは、どんなに栄養学が進化しても、それはツールであり、そのツールを現場でどのように使うかは、現場の栄養士/獣医師に委ねられるという事です。酪農の生産現場では、予測できないような現象が多々起きます。そういった現象と常に対峙しながら、結果を出していく事が求められます。出来るだけ、正確に飼料設計する事は大切ですが、その結果のモニターも重要になります。その結果のモニターは様々な項目で行います。乳量や、乳成分、乾物摂取量、周産期病の発生状況、卵巣や子宮の状態、受胎率、糞便検査、など様々な情報から包括的にその結果を解釈して、牛群の状態を把握していきます。正確な設計と結果のモニターは、不確実性が高い酪農現場の仕事において、出来るだけ最適解に近づくための確率を上げる大切なプロセスになります。今後も、栄養学は進化していきます。栄養学の新しい理論や概念を勉強しつつ、同時に最適な結果のモニター方法にしていも試行錯誤していきます。現場では、今のサイエンスでは説明しきれない事が多々おきますが、そういう時こそ、理論が大切なのだと思います。