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論文・学会発表

日本胚移植技術研究会2022

11月の5日6日で日本胚移植技術研究会(日胚研)に参加してきました。日胚研は主に家畜の胚を扱う関係者が技術と知識の向上を目的として集まる研修会で、大学や試験場、民間企業等の技術者から構成されています。受胎率向上を目的とした、胚生産に関する話題、発生、培養レベルでの話題が多いのがこの研究会の特徴ですが、今回の日胚研では、昨今需要が伸びている体外胚を中心とした話題(OPUや培養技術等)も多く大変貴重な情報を頂きました。中でも個人的に興味深く聴講したのは、道総研の小山先生が報告されていた「黄体検査時の卵巣予備能と受精卵移植成績の関係」です。ホルでは卵胞数が多い個体はP4産生能と黄体産生能力が高く子宮内膜厚が高くなることが分かっています(F.J.Krassel
et al.,2009)。また子宮内膜圧が高い個体は授精レベルでの受胎率が向上することも分かっています(A.H.souza
et al.,2011)。小山先生は黒毛和種において、卵胞数の多い受卵牛は「移植受胎率」が向上することを報告していました。本報告では子宮内膜圧に差が見られなかったとしていますが、卵胞数の多少でE/P4比に傾向が見られたようです。現場で受卵牛を選定している身からすると大変興味深く共感できる内容であったので共有したいと思います。胚の受胎率向上は、培養方法や受精卵の質だけで決まるわけでは無く供卵牛と受卵牛の選定といった現場の試行錯誤も合わせて重要だと考えます。そのような議論ができるように自身も精進して参りたいと思います。

大久保

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